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セリエA 9年前

本田に迫る危機感。個人技で勝ちを拾ったミラン、見えてきた指揮官の“優先順位”

text by Keiske Horie photo by Getty Images

本田とボナベントゥーラの立ち位置

 スソをトップ下に据えて攻撃的な姿勢を打ち出したミランだったが、その狙いは失敗に終わる。FWカルロス・バッカの素晴らしいプレーから先制に成功したまではよかったものの、徐々にエンポリに試合を許してしまう。

 とりわけビルドアップの局面では、エンポリのFW2選手とミランのセンターバック、トップ下のサポナーラとデヨングが完全に噛み合う形となり、ミランがプレスの餌食となる場面が多発していた。

 後半にノチェリーノに替えて新加入のクツカを投入したところで、トップ下の選択に注目が集まった。クツカという攻守に貢献度が高いインサイドハーフが入った際に、本田とボナベントゥーラの優先順位はどちらが上か明らかになったからだ。

 結果、交代に選ばれたのはボナベントゥーラだった。プレシーズンにおいては人材不足のインサイドハーフにボナベントゥーラが入り、本田はトップ下に君臨していた。しかしながら、インサイドハーフにクツカという計算できる選手が加入したことで、トップ下の立ち位置が明白になった形だ。現時点ではボナベントゥーラが「ファーストチョイス」といってよいだろう。

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