ベトナム代表はなぜ“純血主義”を貫くのか? W杯予選の苦戦で高まる帰化選手への待望論と問題点

三浦俊也監督率いるベトナム代表は、W杯アジア2次予選でタイに大敗したことで、最終予選への進出は絶望的な状況となっている。これを受け、ベトナム国内では帰化選手への待望論が叫ばれている。東南アジアのライバルが帰化選手の活躍で飛躍する一方、近年のベトナムは“純血主義”を貫いている。三浦監督も帰化選手への招集に肯定的な姿勢を示しているが、問題点もあるようだ。

2015年10月21日(Wed)11時33分配信

text by 宇佐美淳 photo Getty Images
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W杯最終予選は絶望的なベトナム代表に高まる帰化選手待望論

ベトナム代表はなぜ“純血主義”を貫くのか? W杯予選の苦戦で高まる帰化選手への待望論と問題点
帰化選手の招集を待ち望むベトナム代表サポーター【写真:宇佐美淳】

 2018年ロシアW杯アジア2次予選(兼AFCアジアカップ2019予選)で、三浦俊也監督率いるベトナム代表が苦戦を強いられている。10月13日にホームで行われた宿敵タイとの試合は0-3で完敗。第4節を終えた時点で、1勝2敗1分のF組3位となっており、最終予選進出はすでに絶望的な状態だ。

 2次予選突破の行方を占う大一番であるホーム2連戦(イラク戦10/8、タイ戦10/13)の前、ベトナムのサッカーファンの間では、「代表強化のため、帰化選手を呼ぶべき」という声が高まっていた。特に、2013と2014シーズンで得点王に輝いたナイジェリア出身のFWホアン・ブー・サムソン(旧名サムソン・カヨデ)の評価は高く、国内では“サムソン待望論”が叫ばれた。

 日本の読者には意外かもしれないが、ベトナムをはじめとした東南アジアには、帰化選手が非常に多い。ベトナムの場合、2007年12月25日にブラジル出身のGKファン・バン・サントス(旧名ファビオ・ドス・サントス)が帰化選手第一号となったのを皮切りに、現在までに20人余りの帰化選手が誕生している。その多くは、アフリカやブラジル出身の者だ。

 ここで少し、帰化選手第一号であるファン・バン・サントスについて紹介しておこう。ブラジルの名門ヴァスコ・ダ・ガマの下部組織で育ち、1997年にトップチーム昇格。その後、リオデジャネイロ州リーグのカンポ・グランデなどを経て、2001年にVリーグのドンタム・ロンアンへ移籍した。

 身長2mの超大型GKで、その圧倒的な存在感で守護神として君臨。外国人枠の問題から2007年に帰化し、翌年には、ポルトガル人のエンリケ・カリスト監督体制のベトナム代表に招集され、帰化選手として初の代表デビューを飾っている。

 しかし、サントスは、コミュニケーションなどの問題から代表チームに馴染めず孤立。さらに、親善試合では、当時出産が近づいていた妻のことを気にするあまり、プレーに精彩を欠くという体たらく。同じく、ブラジル出身の帰化選手で、Vリーグの得点王と最優秀外国人選手にも選ばれたことがあるFWフイン・ケスレー・アルベスも代表では機能しなかった。

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