ミラン、選手価値を下げ続ける“名門”。迷走を続ける計画性なき補強戦略

現代の欧州サッカー界において、選手のキャリアに移籍先クラブの選定が重要であることは言うまでもない。しかしながら、どのような選手であっても「選手の価値を高めることが上手いクラブ」というものは存在する。今回は14の欧州主要クラブに焦点を当て、所属選手の市場価値の推移によって「選手の価値を高める力」を測定することを試みる。

2016年01月28日(Thu)12時01分配信

シリーズ:最も選手の価値を向上させるクラブはどこか
text by Keiske Horie photo Getty Images
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過去5年間で選手価値を118億円減少させたミラン

ミラン、選手価値を下げ続ける“名門”。迷走を続ける計画性なき補強戦略
本田圭佑はミランに加入後、市場価値が17億円減少した【写真:Getty Images】

 今回は日本代表FW本田圭佑が所属するミランの補強戦略を分析する。

 「選手価値の上昇」の定義と欧州主要14クラブの結果概要については「最も選手の価値を向上させるクラブはどこか? 欧州主要クラブを徹底比較」をご覧頂きたい。

 ミランは端的に述べれば「選手の価値を下げ続けているクラブ」である。2011/2012シーズンから現在までの5シーズンで、ミランの獲得選手の市場価値は合計9100万ユーロ(約118億円)減少した。

 この数字は今回分析した主要14クラブでずば抜けて低い数字である。そもそも、合計値が減少したクラブはミランとパリ・サンジェルマン(-3475万ユーロ)の2クラブしか存在しない。例えば、2014年1月にミランに加入した本田は、加入時は市場価値が2000万ユーロ(フリー移籍のため移籍金はかかっていない)だったのに対して、現在の市場価値は700万ユーロにまで減少した。

 これほどまでに深刻な数字となった理由は2点あり、ミランの補強戦略が「ピークを過ぎた選手を獲得していること」に加えて、「若手選手の育成が上手くいっていない」からである。この点を踏まえれば、近年の成績不振は非常に自然な流れということができる。

 「ピークを過ぎた選手を獲得していること」については詳細を説明する必要もないだろう。ミランは近年財政難によって、所属クラブで出場機会を失った選手もしくは何らかの問題を抱えている選手をフリー移籍で獲得することに終始してきた。

 その結果、移籍収支としてはマイナスにならないものの、その後ミランで価値を上げた選手は皆無に等しく、しばらくしてミラン内でも余剰戦力となるという流れが定着している。フリー移籍によって高額な年俸で契約した選手は放出させることも難しく、ミランは常に大量の選手を抱えている。

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