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EURO2016 8年前

「体を張って守ってベイル」。猪突猛進、ウェールズの団結力がベルギーの“才能”を食うか

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

主将が示した猪突猛進な“ブリティッシュスタイル”

ガレス・ベイル
ウェールズは、「体を張って守ってベイル」という一貫した戦い方がチームに完璧に浸透している【写真:Getty Images】

 一方のウェールズは、「体を張って守ってベイル」という一貫した戦い方がチームに完璧に浸透している。こういった戦法が良いか悪いかは別として、やるべきことが明確となっていれば選手たちは迷いなくプレーできる。

 ベイルはここまでグループステージでは3戦連続ゴール、北アイルランドとのラウンド16ではオウンゴール誘発とすべてで得点に絡んでいるが、これはチームとしてブレていないからこそ続いているといえる。

 ウェールズは同じ英国の北アイルランドに対して苦戦を強いられたが、これはそもそもの力関係がウェールズ>北アイルランドだったため、主導権を“握らざるをえない”展開となったことで難しさがあった。

 対して、ウェールズのようなスタイルで一貫しているチームにとっては、ムラの多いベルギーのようなチームは格好の餌食ともなり得る。
 
 主将のアシュリー・ウィリアムズが北アイルランド戦で左肩を負傷し、交代の指示を一喝してピッチに残り続けたことで、このベルギー戦への出場が若干不透明な状態だが、その時の姿はある意味では猪突猛進な“ブリティッシュスタイル”の象徴でもある。

 世界屈指の“個の力”を持つベルギーが当たりを引くのか、あるいはウェールズの団結力が個を上回るのか。世界が“波乱”に沸く可能性は決して低くない。

(文:海老沢純一)

【了】

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