〔日本人、監督論〕城福浩『反骨心』【サッカー批評 issue58】

2012年12月14日(Fri)16時19分配信

text by 飯尾篤史 photo Kenzaburo Matsuoka
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圧倒的な得点力を見せるダヴィ【写真:松岡健三郎】

比較されるのは監督の宿命

――松本山雅の反町康治監督も「『プロビンチアにはまだまだ可能性を感じる』という城福さんの言葉には共感できる」と話していたそうです。

「山雅はスタジアムもサポーターもすごいですよね。甲府と山雅の試合は甲信ダービーって言うんですけど、僕らがアウェイに乗り込んだ6月2日はワールドカップ予選の前日だったのに、『日本代表よりも大事なものがここにある』という雰囲気がすごく伝わってきた。僕はあのとき『日本にサッカー文化は間違いなく根付いてきてるな』と感じたし、こういうダービー、こういう雰囲気が至るところにあるのがイングランドやドイツですよね。そこに近づくためにも、この雰囲気を大事に育てていきたいと思いました。だからこそ、地方にサッカー専用スタジアムがもっとできてほしい。そうしたら、多くの人があの空間を体験できるし、それがまた人を呼ぶことになりますから」

――地方クラブの可能性について訊きましたが、日本人監督の可能性についてはどうでしょう? J1では西野朗さんがG大阪を率いて05年に優勝して以来、外国人監督のチームが優勝しています。それについて、どう思いますか?

「日本人にも優秀な指導者は多いと思っています。ただ、外国人監督がリーグタイトルを獲っている理由として、もちろん彼らの戦術、采配、マネジメント能力、モチベーターとしての手腕は素晴らしく、僕らも学ばなければならないけど、外国籍選手を本気にさせられている点も同じくらい大きいと思うんです。逆に言えば、それだけ助っ人に依存しているとも言える。依存しているからこそ、彼らが本気になれば優勝できる。だから、外国籍選手もしっかりマネジメントできるような幅を、僕らも身に付けなければならないと思います」

――でも、城福さんは今季、ダヴィ選手を上手くコントロールしているように見えますが、どのようなアプローチをしているのでしょう?

「上手くコントロールしているかどうかは別として、彼は昨季、残留の切り札として迎え入れられながら、コンディションが整わず、出場がままならなかったわけです。それでチームは降格し、FWのマイク(ハーフナー/フィテッセ)やパウリーニョ(G大阪)は上のカテゴリーに移籍していく悔しさを味わった。でも、ベストの状態の彼が素晴らしいのは札幌や名古屋時代に証明されている。だからシーズン前、ダヴィには『信頼している』ということを伝えました。それと同時に、日々のトレーニングの中で厳しく指摘するところ、リスペクトするところを使い分けるようにしています。」

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