ガンバ大阪のチームメートが体感する、背番号7の進化(中編)

『明神智和、加地亮、中澤聡太、武井択也の証言』
遠藤とともにガンバ大阪で中盤を形成する明神智和と武井択也、99年ワールドユースでも一緒にプレーした同期の加地亮、そして現在CBとして遠藤の背中を見続ける中澤聡太らが、進化を続ける遠藤保仁を分析する。

2012年12月23日(Sun)9時59分配信

text by 下薗昌記 photo Kenzaburo Matsuoka
Tags:

【前編】 | 【後編】 | 【フットボールサミット第6回】掲載

「ヤットさんは最初に縦で勝負して、逃げ道を使わない」(武井)

 近年、ガンバ大阪ではより決定的な仕事に絡むようになり、単なるボランチの枠組みから脱皮した遠藤ではあるが、サッカー王国が生んだボランチの概念は本来「ハンドル」がその語源。ガンバ大阪という攻撃過多なチームを中盤の底からコントロールしてきたのが、背番号7だった。

 日本では守備的MFをひとくくりに「ボランチ」でまとめているが、発祥の地ブラジルでは守備に軸足を置く潰し屋系をプリメイロ(第一)・ボランチ、組み立てや攻撃に絡む選手をセグンド(第二)・ボランチと明確に線引きをする。

 言うまでもなく、遠藤は後者に分類される訳だが、遠藤とはタイプが異なる守備系のボランチとして年々成長している武井択也は、そのアグレッシブなプレースタイルとは対照的に、戦術理解度の高さも併せ持つガンバ大阪の次代を担う中堅だ。「僕はヤットさんをいかに自由に、気持ちよくプレーさせるかを意識している」

 目標と公言する明神と奇しくも同じ言葉を発する武井は、課題でもあるビルドアップやパスの出し方について格好のお手本である背番号7にプレーの秘訣を問うたことがあるという。「ボールを受けた時に、ヤットさんは、何を考えるんですか?」

 帰ってきた答えはこうだった。

「まず前を見て、相手が来たら逃げたらいい。最初から、パスを受けた後の逃げ道を探すのはボランチとして苦しくなるだけなので、一度相手にチャレンジの姿勢を見せて、そのあとに逃げ道を残しておけばいい」(遠藤)

「ピッチで自信がない選手は最初からパスをDFラインに下げたり、横パスを出したりと、逃げ道を失わないようにしがちだけど、ヤットさんはそこが違うんです。まず、最初は(縦パスに)勝負してみて、最初から逃げ道を使わないこと。一緒にプレーしていると本当に勉強になる。ヤットさんのFKを盗めって言われても難しいけど、パスや相手との駆け引きは吸収できるところ。状況判断の正確性や速さは僕にとっても、もっと参考にできる点だと思う」

1 2 3

新着記事

↑top