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日本代表 11年前

日韓サッカーについて考える―プラカード問題、因縁の歴史、ライバルとしての未来。(後編)

text by 植田路生 photo by Ryota Harada

日韓サッカーライバル関係の今後

後藤「清武は真剣でもああいう顔だから(笑)」

佐山「逆にわざとそういうことを日本が狡猾に使えれば」

――耳元で「竹島」って言うとか。

山本「選手たちは負けて『悔しい』と思っているはずですが、韓国にとってはまだ全力で向かってきていないと感じているだろうし。俺達と向き合ってない、腹立たしい、と彼らは言ってるような気がするんですよね」

佐山「どう転んでも日帝時代の比喩みたいな話になっちゃうんですよね」

「そうですね。片思いですね、韓国の」

佐山「実際は集団カタルシスを生む本物の『戦い』なのに、お前ら(日本)は『いさかい』と考えていなしてくる、みたいなズレがある」

後藤「今の若い選手は、互角になってからのことしか知らない。僕みたいに35年のハンは抱えてないんだ」


アウクスブルグで具滋哲と共にプレーした細貝【写真:原田亮太】

山本「国民性の違いでしょうかね。去年、細貝萌が具滋哲(クジャチョル)とチームメートだった時のアウクスブルクの試合を見たのですが、具のゴールで勝ったんです。具はチームメートと喜んでいる。細貝はスタッフに慰労して回っている、そういう違いはあると思います。もちろん先入観かもしれませんし、彼らはポジションも違う」

「すごくわかりやすい」

佐山「疲れるでしょうね(笑)。編集者もやりながら物も書くみたいな」

山本「それでいて細貝は具が点を取った時に真っ先に祝福に行く。そんな感じですよね」

――日韓サッカーのライバル関係はこの先どうなっていくと思いますか?

後藤「昔韓国メディアのインタビューを受けた時に、『後藤さんの夢はなんですか?』と聞かれるので、『W杯優勝はいずれできる。ただ韓国相手に5連勝したいがこれは無理だろうな』って答えたらえらい喜んでいました。何度か日本が完全に上回ったかなと感じた瞬間はありました。ただすぐに逆転されて、そういうことは何度も繰り返している。多分、日本が圧倒的に韓国を引き離す時代は来ないんでしょうね」

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