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監督・選手コメントで振り返る大学サッカー決勝

text by 後藤勝 photo by Masaru Goto

伸びる選手の条件とは?

 また、10月には東アジア大会があり、そこもリオ世代の強化に充てるということです。Jリーグの若手、J2にも試合に出て急成長する選手がいるので、全体でその世代の選手を発掘して、いろいろなチャンスを与えて選手を伸ばしていくことが大事だと、原(博実)技術委員長からのお話もありました。

 我々は、我々のなかにいる、可能性のある素材をこれからもどんどん発掘しながら、大学というところでじっかり育成していきます。Jリーグだけではなく、オリンピックやワールドカップの代表に大卒からでもなれるという積み重ねはできてきたと思います。

 ウチの大学で言わせていただくと、2006年のワールドカップに坪井慶介、今回のオリンピックに永井謙佑が出たわけですから。彼らのスタートのときの力は未熟だったと思いますけれども、育成は大学四年間だけで終わるわけではないので、その先にプロで伸びていってほしい素材を、これからもしっかり育てていきたいと思います。

 Jクラブ、JFAの強化部会とも連携をとりながら次世代の選手を育てていかないといけないと思っています。これは(福岡大学の監督としてというより)技術委員長的発言(笑)。

 個人的には大きく化ける原石がまだまだ大学のサッカーに眠っていると思うので、これからもしっかり伸ばしていきたいなと。

 ウチにいる大型の選手は、なかなかJの下部組織では育たないポジションでもありますし、日本のサッカー界には大型の選手が不足しているわけですから。しっかりと根気のいる仕事です。根気強くそういう選手を育てていきたいなと思っています。

 伸びる選手の条件ですか? 現状の力に満足していないということが大事だと思います。向上心があるとか、素直さがあるということが伸びていく選手の共通点なので。

 早い段階からいい選手だと言われてエリート意識を中途半端に持ってしまうと本人の伸び代がなくなってしまうし。周囲の指導者や親も含めて中途半端なレベルで満足させると伸びが止まってしまう。そういう意味で、Jリーグに入れる基準、インターナショナルで戦える基準。、そういうものさしをわれわれがしっかり持って、目線をより高くして育てるということが大事だと思います。

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