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ドログバとスナイデルは恩師モウリーニョを超えられるか!? ~CLベスト8の見所~

text by 植田路生 photo by Kazuhito Yamada

ドログバとスナイデルを知り尽くしたモウリーニョ

 ガラタサライはここ最近、スナイデルをトップ下に置くダイヤモンド型の4-4-2で結果を出している。だが、それは彼と2トップのドログバ、ブラク・ユルマズの攻撃力を最大限に引き出すため。守備での貢献が期待できない分をハミト・アルティントップやセルチュク・イナン、フェリペ・メロがカバーしなければならないが、豊富な運動量を持つ彼らとて、マドリーを相手にそれは至難の業だ。

 かつてアンチェロッティに“ターミネーター”とも称されたドログバの圧倒的なフィジカルに頼り、ボールを奪うやいなやスナイデルが彼を目掛けて放り込む、というのもなくはない。しかし、ここでも大きな壁が立ちはだかる。マドリーの監督モウリーニョだ。

 ドログバはチェルシー時代、スナイデルはインテル時代、モウリーニョの下でプレーしていた。ポルトガルの指揮官は彼らのことを知り尽くしている。思い出されるのはインテルがチャンピオンズリーグで優勝した2009-2010シーズン。

 ベスト16でモウリーニョ率いるインテルと対戦したチェルシーはチーム状態もよく、優勝候補だったが、ドログバを完全に抑えこまれ、敗れた。徹底して勝負にこだわるモウリーニョが愛弟子たちの弱点を突いてくることは容易に想像できる。チームのキーマンである2人がウィークポイントになる可能性も否めない。

 もちろん、ガラタサライのテリム監督もそこは織り込み済みのはずだ。これだけの悪条件を跳ね返す戦術を練っているに違いない。百戦錬磨の智将がどのような作戦をぶつけてくるのか期待したい。

【了】

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