厳しい流れの中で証明された強固な“守備のトライアングル”
中盤とSBがいつもと違う陣容で、ドルトムントにアタッキングサードまでボールを運ばれる場面は目立った。
しかし、そうした状況でもノイアーとCBコンビが中央で“守備のトライアングル”の関係を崩さず、ボアテングのチャレンジをファン・ブイテンがカバーし、その手前や合間から打たれるシュートはノイアーが止める。そうした連係を継続しながら、ペナルティエリア内の球際に各選手が集中して跳ね返した。
11分の失点場面は左ワイドから右ワイドという形で、左SBのコンテントが対応するニアを突かれ、さすがのノイアーも反応が間に合わなかった。その2分後にコンテントがギュンドアンを倒し、あわやPKを取られかけた場面は、レバントフスキとのワンツーからボアテングがギュンドアンに裏を取られて招いたものだ。
しかし、その後は両CBが協力してレバントフスキの危険な動き出しをケアし、周囲からの飛び出しには時にボランチのグスタボの助けを借りてバイタルエリアを封鎖した。
そうしたCBの守備を背後から支えるのが守護神ノイアーであり、裏にボールが出れば素早い飛び出しで相手のアタッカーより前にボールを処理し、CBの手前から打たれるシュートは的確なポジショニングと鋭い反応でセーブする。
彼らの強い信頼関係は、ドルトムントを相手に通常より苦しい場面が多かったこの試合でも崩れず、むしろ堅実さを強調した。25日のCL決勝はコンディションに問題なければブラジル代表のダンテがボアテングとCBコンビを組む。
中盤とサイドの守備力がさらにアップされるバイエルンの守備は、ベストメンバーを揃えるドルトムントにとっても、難攻不落の牙城となって立ちはだかりそうだ。
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