リーグ戦復調の王者・広島。ACLを“捨てた”森保監督のマネジメントは正しかったのか?(前編)

昨季の王者サンフレッチェ広島に復調の兆しが見える。ここ8試合で勝ち点16を積み上げ4位にまで順位を上げてきた。これには惨敗したACLが関係してくる。若手を積極的に起用し、「捨てたのか」と一部で批判も出た広島のACLでの戦い。果たして森保監督のマネジメントは正しかったのか?

2013年05月28日(Tue)7時13分配信

text by 澤山大輔 photo Kenzaburo Matsuoka
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広島のACLはすべて失敗だったのか?

 5勝1分け2敗・勝ち点16。これが4月6日・横浜FM戦(第5節)から5月25日の湘南戦(第13節)までの8試合、つまりここ2カ月における昨季王者・広島の戦績だ。

 この数字だけみてもピンと来ない方が多いと思うが、同じ期間で広島を上回る勝ち点を稼いでいるのは大宮(8勝1敗・勝ち点24)、鹿島(6勝2分け1敗・勝ち点20)、川崎(5勝2分け2敗・勝ち点17)の3チームだけだ。25日時点での暫定4位という順位は、妥当なものだといえる。

 敗戦の内訳を見ても、第5節に横浜FMに1-3で、第12節に首位・大宮に1-2で敗れた以外はしぶとく勝ち点を確保。節別動向を見てもここ2カ月の最低順位は7位であり、25日時点での首位・大宮との勝ち点差は9だ。29日の柏戦(順延分)で勝てば、差は6にまで縮まる。連覇を見据える上では悪くない数字といえるだろう。

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森保一監督【写真:松岡健三郎】

 一方、広島はAFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)で3分け3敗の成績でグループリーグ敗退の憂き目にあった。プロとして結果に責任を負うのは当然であり、この結果を残念に思わないチーム関係者はいない。森保一監督は湘南戦後、この件について改めて尋ねた筆者に「ACLの敗退は、我々にとって不甲斐ない結果だった。非常に悔しい」と厳しい表情で語っている。

 ただ広島のACLについては、結果以上にメンバー構成にも一部で批判があった。いわく「フルメンバーで戦っていない」「ACLをナメている」「補強をしないなんてあり得ない」「優勝チームのプライドを見せろ」といったものだ。こうした批判がすべて間違っている、とは言えない。何しろ結果は残せなかったのだから、チーム関係者は甘んじて受けねばならないだろう。

 しかし、一方で外側から見ている人間としては別の考え方もある。それは、森保監督がACLに若手を起用したことによって、広島は明白な成果を得つつある、ということだ。以下、ACLを通じて成長した3選手の名前を挙げて広島の成果について論じたい。

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