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スコア以上に大きなイタリアとの差。防げたはずの4失点の要因はどこに?【どこよりも早い日本代表採点】

シリーズ:どこよりも早い採点 text by 植田路生

強さなき日本。イタリアとの差は大きい

 セットプレーからの3点とはいえ、本田と香川の連動、連続したチャンスメークなど攻撃全体を振り返れば、収穫はあった。トップクラスのDFを相手にしてもパスワークは発揮できたし、中央を固められても脅威となる場面を作ることは出来た。

 だが、攻撃陣がこの試合くらいの高いクオリティを持っていることは昨年10月のブラジル戦で証明済みだ。収穫というより、取り戻した、と言った方がいいかもしれない。

 それよりも問題なのは試合の緩急をつけられないこと、試合全体をマネージメント出来ないことだ。これらは前々からの課題で、一向に改善の気配が見られない。90分の中で緩んでしまう時間帯を作らないために、アグレッシブにプレスをかけつつも、セーフティーなプレーで試合の流れを止める、などメリハリがない。

 いつも一本調子で、「上手さ」はあるが「強さ」はない日本。そして就任から3年を経たにもかかわらず、その課題から改善の傾向を見せられないザッケローニ監督。スコアこそ僅差だが、イタリアとの差は思っている以上に大きい。

 ザッケローニ体制の3年間で選手たちは大きく成長したが、チームとしてはアジアカップをピークに“強く”なっていない。「強豪国に善戦」。そこからの脱却こそが日本サッカーの成長になる。しかし、このままでは来年のW杯でもかつてのもどかしいままのサッカーで終わってしまうだろう。

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