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日本への感謝、ホンダへの意識――。Jリーグ育ちのフッキは母国で真の姿を見せることができるか

text by 下薗昌記 photo by Kenzaburo Matsuoka

「僕を受け入れてくれた日本の人たちに感謝している」

 2月に発足した「第二次スコラーリ政権」において常に招集されてきたゼニトのアタッカーだが、ここまで得点はまだ奪えていない。

 ただスコラーリ監督は「フッキのパフォーマンスには満足している」と話せば、前線でコンビを組むネイマールも「彼はモンストロ(怪物)だね。フィジカルも半端じゃないし、フッキのおかげで僕のプレーも楽になる」と高い評価を集めている。

 来年のW杯本大会に向けて、着実にセレソン内での地位を築き上げているフッキではあるものの、「セレソンの試合は今大会だけじゃなく、毎試合が人生を賭けた試合。それは僕だけじゃなくて、他の選手にも言えることだけどね」と現状に満足する様子はない。

 日本戦前後の試合後のミックスゾーンでは、ブラジル人記者だけに囲まれていた時でも「僕は日本が大好きだ。僕を受け入れてくれた日本の人たちに感謝しているし、日本代表にも友達は多い」と殊勝な言葉を口にしたのは決して東洋の島国に対するリップサービスではない。

 その証拠がハーフタイムにおける本田圭佑とのユニフォーム交換だった。「ホンダは僕が認めている選手なんだ。彼のロシアリーグでの優勝におめでとうを伝えたのさ。ホンダはポルトガル語も話すからね」と語る。

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