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世界との差を痛感した日本代表の守備陣。ディフェンス再建に向けた今野泰幸の決意

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

イタリアの4点目はクリアミスと判断ミス

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【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ただ、悔やまれたのは自分たちの力を出しきれなかったこと。それはチーム全体の共通認識だった。今野も次こそは積極的な守備をしようと気持ちを切り替え、19日のイタリア戦(レシフェ)に向かった。それに当たり最も警戒したのがバロテッリだ。

「ピルロを90分間抑えるのはムリだし、パスが出てくるのはしょうがないと思っているから出たとこ勝負。出る前を予測して、裏だけは一発で取られないようにして、粘り強く戦うだけ。バロテッリは今まで経験した中でも異常なほどのスピード持っている。もしかしたら衝撃が走るかもしれない」と対峙するまで警戒心を募らせていた。

 しかし、実際に同じピッチ上で戦ったバロテッリはやれない相手ではなかった。

「ものすごく強かったし、ファールしないと止められないというくらい強かったけど、シュートはそんなに打たれていない。でも、今日は僕とバロテッリの勝負じゃなくて、日本とイタリアの勝負なので、チームとして勝てれば何も言うことなかったけど、結果として4失点して負けているわけだから、負けを認めざるをえない」と今野は悔しさをかみ殺すようにこう言った。

 特に自身が絡んだジョビンコの4失点目について「クリアミスや判断ミスがあった」と彼は打ち明ける。

「前からボールが来た時に、たぶんフリーだったと思うので、もうちょっと余裕があればトラップしてビルドアップを開始できたと思う。あの時間帯で判断がうまくいかず、ダイレクトでクリアするということだけ頭にあったけど、予想以上にパスが速かったからクリアが大きくならなかった」と反省しきりだった。

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