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日本代表の選手層は本当に薄いのか? ザックに試されるW杯までのマネージメント力

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography,Kenzaburo Matsuoka

バックアップメンバーが力を発揮できなかったワケとは?

メキシコ戦のスタメン
メキシコ戦のスターティングメンバー【写真:松岡健三郎】

 メキシコ戦のスタメンは試合当日の昼に発表されたらしいんですね。紅白戦などでも酒井、栗原勇蔵、細貝萌が同じチームでプレーしたことはなかったと。つまり、バックアップの選手は試合の数時間前にスタメンであることを知らされて、それから心の準備をして試合に臨まなければならなかった。

 これが攻撃の選手だったら突然起用されても自分の持ち味を出すことに専念すればいい。だけど、メキシコ戦は交代があったのが守備的なポジションで、しかも同サイドだった。

河治 ザッケローニ監督はコンディションを重視しているとはいつも言っていますけどね。もしかしたら頭の中ではメンバーは決まっていても、当日になるまで誰が調子を崩すかわからないし、前日にメンバーを発表して当日に変更することをやりたくないのかもしれない。

 当日にメンバーを言うのは監督のポリシーなのかもしれないけど、前日の夜に言っておけば大分違ったと思う。そうすれば、メシを食ったときでも、風呂に入ったときでも話せるじゃないですか。

 あの試合で酒井は高い位置で相手のサイドの選手をつかまえにいって、裏のスペースをポンポンと突かれてしまっていた。栗原と酒井がポジショニングを修正したのはハーフタイムだったんですね。栗原と酒井が失点に絡んだのは実力不足だったというより、準備期間があまりにも短すぎたことも関係していると思います。

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