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日本代表の選手層は本当に薄いのか? ザックに試されるW杯までのマネージメント力

コンフェデで日本は何を学んだのか? 結果は惨敗に終わってしまったが、収穫は大きい。大会期間中、日本代表を中心に取材した2人のジャーナリストが対談し、W杯までの課題を検証する。選手層の薄さも指摘されたが、果たして解消策はあるのか?

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography,Kenzaburo Matsuoka

イラク戦で主力を休ませることはできなかったのか?

ザッケローニ監督
公式戦を軽視したくなかったと考えられる【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ブラジル戦とメキシコ戦は日本の選手のコンディションがかなり悪いように見えました。これはオーストラリアと埼玉スタジアムで試合をして、そのまま真夏のドーハで試合をして、中3日でコンフェデに入ったというスケジュールが影響しているのは確かですよね。

河治 3月のヨルダン戦に勝って出場権を決められなかったことで、かなり低いとはいえ予選敗退の可能性が残ってしまった。ザッケローニ監督はオーストラリア戦とイラク戦は新しいメンバーを試すつもりだったと思うんですよ。だけど、この2試合にW杯出場権がかかったことでベストメンバーを招集せざるを得なくなった。

 ドーハでのイラク戦は消化試合だったわけじゃないですか。Bチームで臨むということはできなかったんでしょうか?

河治 そもそもコンフェデに臨む23人を直接ブラジルに送って、ドーハにB代表を送る様なアレンジをオーストラリア戦を待ってやるにはあまりに時間不足でしたよね。なのでドーハ経由ブラジル行きはヨルダン戦を落とした時点で宿命的だったわけですが、23人の中で、イラク戦を出場停止の長谷部など一部を除き主力で戦った理由は2つあると思います。

 一つは海外組の中に試合勘が不足していた選手がいたこと。彼らにドーハでプレーするリスクをかけてでも試合勘を取り戻させたかったんでしょう。もう一つはザッケローニ監督の性格的に消化試合とはいえ公式戦を軽視したくなかったんじゃないかと。良くも悪くもすごく「良い人」なんですよね。

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