Home » Jリーグ » 未だ謎多きベルデニック監督解任劇。“一体感”なき大宮が問われるクラブとしての資質 » Page 8

未だ謎多きベルデニック監督解任劇。“一体感”なき大宮が問われるクラブとしての資質

2013年08月18日(日)15時53分配信

text by 上野直彦 photo Asuka Kudo / Football Channel

小倉「新監督」という賭け

 はたして新監督は誰なのだろうか。

 会見でも鈴木社長が、有力候補として名前を挙げていたのが小倉勉TD。小倉氏はジェフ時代を経て2006年から日本代表コーチ、オシム・岡田両監督を支えた。またロンドン五輪男子代表でもコーチを務めたベスト4入りを果たした「名参謀」だ。小倉氏のサッカー観、人身掌握術のうまさを知ることができる面白いエピソードがある。

 昨年の9月15日・J1第25節、ホーム・熊谷陸上競技場でのサガン鳥栖戦。大宮は残留争いの真っ只中だった。この試合から小倉氏はヘッドコーチとして加入してきた。渡邉大剛はサブ組としてベンチスタート。円陣を組んでスタメンを見送った直後、小倉氏は準備をしているベンチの選手全員に言い放った。

「出場するのはスタメンの11人だけ。だが試合を決めるのは、君ら途中出場の選手だ!」

 渡邉は言う、「僕は、あの一言でスイッチが入りました」。

 0-0で迎えた62分、渡邉はピッチへ。そのたった3分後、渡邉のクロスから菊地のヘディングでのゴールが生まれた! ピッチで抱き合って喜びを爆発させる渡邉と菊地の姿が印象的だった。

 試合もこの1点で勝利、前節さいたまダービーでの劇的な引き分けに続き、この熊谷での反撃でチームは浮上。最終節まで負けなしで見事残留を決めた。試合後、渡邉はこうも語った「オグさんの言葉はすっと入ってきたし、試合もその通りになった。この人、持ってるなって(笑)」。

 7月17日の川崎F戦の敗北の後、小倉はヘッドコーチからTDへとなり現場を離れる。だが「オグ(小倉)さんは現場にいてくれた方がいい」という選手の声は多い。名参謀ではあったが指揮官としての経験は未知数の小倉氏。だが未知数というのは、マイナスに出る可能性もあれば、プラスに出る可能性もある。この「賭け」は、果てしてどちらに出るか。

1 2 3 4 5 6 7 8 9

新着記事

↑top