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日本代表 11年前

安定感を取り戻した吉田麻也「全般的に悪くなかった。これを継続するのが次のテーマ」

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「1週間練習して守備意識や約束事への徹底はかなり良くなった」

 グアテマラ戦は北京五輪以来の森重真人とのセンターバックコンビだったが、お互いによく声を掛け合い、いいコミュニケーションが取れた。今野泰幸が入ってからの3バックも問題なかった。

 相手にバイタルエリア内を崩されることもなく、余裕を持ってラインの上げ下げもできたという。ザッケローニ監督に「ちょっとベーネ(良い)と言われた」と彼は冗談混じりに笑ったが、信頼回復に一歩近づいたという意味では大きかった。

「相手のレベルもありますけど、つぶすところはしっかりつぶせた。あと2~3回は行けるところがありましたけど、全般的に悪くなかった。僕自身も攻めている時の危機管理を強く意識してコーチングしましたけど、サイドバックの選手も高い意識を持ってやってくれたんですごくやりやすかった。

 1週間練習して守備意識や約束事への徹底はかなり良くなった。これを続けていくことが何よりも大事だと思います。ガーナは格上だし、引いてこない相手に対してどういう守備をするかを考えないといけないですね」

 グアテマラから再構築が始まり、ガーナ、10月のセルビアとベラルーシというように、日本代表の対戦相手は少しずつレベルが上がっていく。こうやって足固めをしていくことで、来年の本大会の時には強豪と戦える守備システムを新たに作り上げる。吉田はそんな野心を燃やしている。

「今はまた改めて守りの組織を作っていこうとしている段階。強化スケジュールの中で回数を重ねて本番で通用する守備をしっかり構築したいです。

 3枚をやる場合には、距離感がすごく難しい。スライドも素早くすることを求められるんでもっと強く意識してやらないと。よりオーガナイズしないと後手を踏む可能性も出てくる。

 はまっている時はいいけど、そうじゃない状況も出てくると思うんで、そこで後ろが踏ん張れるか。それは3人の能力にかかってくると思う。だからお互いにレベルアップしていかないといけないですね」

 今野、森重と切磋琢磨しあって日本の守備レベルをどこまで引き上げて行けるか。ガーナ戦が1つの試金石になるのは間違いない。

【了】

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