川崎はなぜ密集地帯を攻略できるのか? 広島戦に見る風間イズムの浸透

川崎フロンターレに風間八宏監督の哲学が浸透しつつある。先日の広島戦ではそれが顕著に出ていた。1年前は完敗した相手に快勝。選手たちに見えた成長とは?

2013年09月17日(Tue)11時52分配信

text by いしかわ ごう photo Kenzaburo Matsuoka
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広島を極端に苦手にしていた川崎

風間八宏監督
風間八宏監督【写真:松岡健三郎】

 2012年4月、シーズン途中で就任した風間八宏監督の初陣が等々力でのサンフレッチェ広島戦だった。練習初日から試合までの準備期間はわずか4日間。対戦相手である広島を想定した対策練習は一切行わず、自分たちのスタイルだけを強調して向かって臨んだ。

 その姿勢は実に潔かったのだが、相手はその年のリーグチャンピオンになるほど完成されたチームである。スタイルの土台すらできていない自分たちとの差は歴然で、一方的にゲームを支配されて、1-4というスコアで完膚なきまでに叩きのめされている。これが風間フロンターレの船出だった。

 あれから約1年半近くが過ぎた。風間監督のもとで磨き上げたサッカースタイルは、リーグ随一の攻撃力を発揮するまでに実を結び始めていた。しかし今年の夏、ある守備陣形を採用するチームに苦戦を強いられる状況が起きていた。

 その布陣とは[3-4-2-1]である。

 昨年リーグを制したサンフレッチェ広島が採用しているこの配置は、ベースは3バックだが、守備のときには両サイドが下がり、5バックで構える[5-4-1]の布陣になることでも知られている。

 自陣で5枚と4枚の2ラインでブロックを形成し、スペースをとことんまで消して構える守備は堅く、ここをこじ開けていく作業はどのチームも容易ではない。

 それはボールを支配して攻めるスタイルを掲げている川崎フロンターレにとっても例外ではなく、公式戦10試合負けなしで乗り込んだ第15節のアウェイ広島戦でも、2-4で敗戦。ボールを握るスタイルの宿命とはいえ、[5-4-1]という極端なシフトで対応する守備組織を攻略できずにいた。

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