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日本代表 11年前

本田圭佑の弱点=代表の欠点。ザックジャパン躍進のカギを握る苦手“右足”の克服

text by 内藤秀明 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「右足」という欠点。ファン・ペルシーとの違い

 身体的な強さを活かしたキープ力という日本において希少性の高い武器を所持していることが、エースの座を我が物としている一因として挙げられる。本田には様々な場面でボールが渡り、チャンスの多くは本田が起点となっていることが多い。

 そんな影響力の高い本田だからこそ、「右足を使えない」という欠点がピッチの各所に悪影響を及ぼし、時として勝利の分かれ目にすらなっている。

 特にそれを痛感したのは、コンフェデのイタリア戦だ。多くの攻めの起点になっていながら、多くの攻めの足かせにもなっていた。本田がこの「右足を使えない」という欠点を少しでも改善することが出来れば日本代表はまた一つ上のレベルにいけると言っていい。

 では本田が右足でボールを扱えないのが原因で何が起きているかというのを説明していこう。

本田圭佑の弱点
ファン・ペルシーは決して両利きではないが、「強い球を蹴る」ということだけなら右足でも可能だ【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 最もわかりやすいのが、右サイド及び、右サイド寄りゴール前でのドリブルの局面だろう。DFの心理として、本田が右足を蹴れないのをわかっていると中のコースだけ確実に切って、縦に誘導して右足で蹴らせるというシンプルな対応が可能となる。

 特に本田のようなスピードのない選手だと、スピードで抜ききるということも出来ないので、非常に対処しやすい。

 だが、同じ左利きでも、例えばファン・ペルシーはそこが違う。中のコースが切られていたとしても、縦にボールを運び右足でクロスやシュートというプレーが可能だ。ファン・ペルシーは決して両利きではない。ほとんどのプレーは右足では出来ない。

 しかし、こと「強い球を蹴る」ということだけなら右足でも可能だ。もともとはそれすらも出来なかったが、ここ数年で少しずつ向上させて、11-12シーズン頃から、中を切られても縦に運んで、右足で「ズドン」というパターンを確立し、得点力が激増した。

 こうして、局所的に右足の能力を改善することで、ファン・ペルシーはDFにとって止められない選手になり、一つ上のランクの選手に成長したのだ。

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