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本当に「ハンド」はなかったのか? 日本サッカー協会が“セクハラ疑惑”を全面否定

text by 植田路生 photo by Asuka Kudo / Football Channel

このまま終息させてしまっていいのか

 出席した記者の「そういう事実はあったわけで、それが表に出たからダメージになった?」との質問には「そういう記事が家族への影響を考えて、だと私は思っています。ただ、やっていませんよ。そういう事実はありません、ということになっていますので。日体協も我々もやってないという認識です」と回答した。

 日体協が作成し、セクハラについて記載があったという内部文書については「正式な正しい文書ではない」と答えた。

 筆者の「事実ではないセクハラが報じられたから精神的ダメージが大きかったのか?」との質問には「そう思います」と大仁会長が答え、セクハラ疑惑については全面的に否定した。

 当たり前の話だが、セクハラはあってはならないこと。事実であれば処分が下されるのは当然のことだ。だが、協会は事実を全面的に否定し、疑惑の理事が辞任することで一連の騒動に幕が降ろされようとしている。

 果たしてこのままでいいのだろうか。体調不良はやむを得ないことではあるが、報道が事実ではないとするならば、「誤報」であろう。ましてや精神的な負担も大きかったのだから、協会として断固として意義を唱えるべきではないだろうか。

 また、今回の一件で重要なのは「セクハラかどうか」ではなく、「不快になった人がいないかどうか」そして「そういったことに毅然とした態度で臨めるかどうか」であろう。

 なぜ疑惑が起こったのか、何が事実と異なったのか。真実を明らかにして欲しい。

【了】

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