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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第5回 目指す方向性が一つになった時、チームは劇的に変わっていく

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

4月~5月 Club Manegement

 4月~5月にかけてやっていたのが、外国人選手の就労ビザの更新について。この分野はJリーグであれば、代理人などが力になってくれるが、このカテゴリーだと当然代理人などいないので、細々した書類を集めることや、ビザについて調べることは自分がやらなければならなかった。

 入国管理局に何度か出向き調べていると以前取得したビザは取得が難しいビザで、別の入国管理局ではとても時間を要することがわかり、最終的には以前いたチームに戻ってもらうしか方法がなくなってしまった。

 その件について、詳しい方に相談したり、元のチームのGMの方と話し合いながら双方が納得し、落としどころを見つける作業がしばらく続き最終的には双方、当人合意の下、移籍することとなった。

 4月、5月は市内、市外への紹介の営業も増え、また地元の方たちとのつながりが少しずつではあるが形成されていった。地元の小湊鉄道、市原青年会議所、商工会、千葉テレビ、帝京平成大学、地元の不動産業の方など…etc。

 地域密着型としてVONDSを作っていきたいと考えていたが、わからない土地で、また出身地とも違う自分が、地域の人に受け容れてもらえるのかということは、最初は非常に不安であった。

 実際に最初から両手を広げてというわけには当然いかない。営業経験自体が初めてだったので、とにかく丁寧に、そして熱心に、一生懸命伝えていくことだけは心がけた。

 初めて電話でアポをとり飛び込み営業をした時の事が今でも心の支えなっている。当然ながら電話口ではそっけない口調ではあったが、いざ時間を作っていただき、顔を合わせ、話をしていくとこちらの熱意に応えて頂き、その場で多くの方を紹介してもらえた。サッカーに縁のある方で、初めての飛び込み営業がこんな結果になったのには自分も驚いたし、この市原という土地に強い運命を感じたことを覚えている。

 その他にもパートナー選び、ハード面の整備、スクール事業などは平行して今月も行われていった。

【次ページ】4月~5月 Off the pich
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