チェルシーに完敗したシャルケ。攻守に奮闘した内田篤人という光明

2013年10月23日(Wed)11時33分配信

text by 本田千尋 photo Ryota Harada
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ファンに後押しされた背中は一際大きく

 夏の終わりのことだった。ホームで行われたCLのプレーオフ、対PAOK戦をチケット観戦した。

 客席に着くや否や、「ウシー! ワハハ」という大きな声がしたかと思うと、大きな手で背をさすられた。驚いて振り向くと、年配の男性と、若い太った男の子が並んで座っている。ドイツ人だった。

 聞けば、いわゆるオジとオイの関係だという。オジの方はすっかり出来上がっていたため、オイの方に、内田の印象について聞いてみる。

「ディフェンスはあまり好きじゃないんだ。でも、オフェンスは、好きだよ」オジの方は、相も変わらず僕の背をさすってくる。

チェルシーに完敗したシャルケ。攻守に奮闘した内田篤人という光明
内田の背中はどのようにして造り上げられたのだろうか【写真:原田亮太】

「ワハハ! ウシー」

 ちょっとしたやり取りの中にも、内田がファンに愛され、そっと後押しを受けている様が垣間見えた。

 ゲームは69分にトーレスに、87分にはアザールに双方ともカウンターから決められ、シャルケは息の根を止められてしまった。

 内田の背中はどのようにして造り上げられたのだろうか。もちろん一朝一夕にではなく、ときに罵声を浴び、ときに声援を受け、今節のような厳しい戦いを幾度も経て造り上げられたのだろう。柔らかくて、優しくて、そっと後押ししたくなる。そんな背中もまた、内田篤人の魅力なのではないだろうか。

 シャルケは勝ちを得る事はできず、0-3のスコアでの完敗だったが、内田ならば、直ぐに切り替えて次戦のドルトムント戦へと立ち向かうだろう。

 その背に、毅然とした矜持を取り戻して。

【了】

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