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代表 10年前

11月に日本と対戦。FIFAランク5位、ベルギー代表の強さとは?

text by 桑村健太 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

堅守“超”速攻—。凄まじい威力のカウンターアタック

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ロシアで本田とも対戦しているヴィツェル【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 そんな個性あるタレントに恵まれたベルギー代表だが、組織としての完成度も非常に高い。

 ベルギー代表が敷くシステムは4-3-3。前線からプレスをかけるサッカーは好まないが、11人全員でまずしっかりとブロックを組み、自分のエリアに入ってきた選手を確実に捕まえてボールを奪取する。

 中盤の最後方ではこちらもアフロなアクセル・ヴィツェルが常に睨みを利かせており、自陣のバイタルエリアに強固な鍵をかける。W杯予選での4失点は、10試合を戦ったチームの中で最も少ない数字であった。

 さらに、ベルギー代表が凄いのはここからである。

 自陣でボールをカットしてから、なんとわずか数タッチでシュートにまで運ぶのである。中盤の選手はいずれも精度の高いパスを配給でき、1トップのルカクやベンテケは、どんなに難しい体勢でも確実にポストプレーをこなす。

 さらに、その両翼からは快速のアタッカーが即座にサポートにつき、少ないタッチで相手の背後を突く。実際、ベルギー代表の得点パターンは相手からボールを奪って15秒以内に仕留めるものが多い。

 彼らの攻撃は強烈なまでに縦に速い。守から攻への切り替えが非常に速く、お互いのサポートの距離感も抜群で、狭いエリアでもボールを失うことなく確実にチャンスへ繋げてくる。今のベルギー代表にはユース年代からともにプレーしてきた選手が多く、そういった連携の部分が彼らの強さに繋がっているのだろう。

 ちなみに、このチームを率いるのはマルク・ウィルモッツ監督。2002年のW杯日韓大会、日本との初戦で見事なバイシクルシュートを決めた同国のレジェンドである。今ではちょっぴりふくよかになった。

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