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香川真司 10年前

マンUのサッカーは本当に“つまらない”のか。香川が挑むフットボールの国の壁とは?

シリーズ:フットボール母国の神髄 text by 森昌利 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

強さ身に付けた香川

マンUのサッカーは本当に“つまらない”のか。香川が挑むフットボールの国の壁とは?
香川真司のプレースピードはプレミアで劣ってはいない【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 話を香川に戻すと、今のところ日本のNO.10は、その類いまれな技術「上手さ」で、プレミアをしのいでいるといえるだろう。速さという点でも、真司のプレースピードはプレミアで劣ってはいない。

 問題は強さとスタミナ。強さに関しては、2年目の今季、競り合ってバランスを崩さず、プレミアで負けない強さが段々身に付いており、体の合わせ方、ポジショニングにも進境は見せていることで、それほど心配していない。

 ただ、やはり90分間を戦うスタミナの問題はあるだろう。守備の負担が大きい、“モイーズ4-4-2”の左サイドでやらなくてはならないこともある。けれどもこれは慣れの部分が大きい。モイーズが香川をフル出場させ続けて、はじめて本人もプレミアで90分間を戦うことが、そのペース配分も含めて、分かってくるはずだ。

 無論、より多くの出場機会と、より香川を生かすスタイルを求めて移籍するという選択もあるだろう。しかし、イングランドの激しいコンタクト・サッカーの中で小さなMFが自分を表現しはじめた時、来年のブラジル行きを決めた日本サッカーも本格的に覚醒するはずである。

【了】

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