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日本代表 10年前

明確だった守備戦術。オランダ戦でザックジャパンがリズムを掴めたのはなぜか?

text by 西部謙司 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

試合のターニングポイントはオランダの交代

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後半に入り本田への圧力が弱まった【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ゲームのターニングポイントは双方の選手交代だった。オランダはナイジェル・デ・ヨングが「負傷していたから」(ファン・ハール監督)ということで下がり、左サイドバックだったブリントがアンカーに移動した。一方、日本は「ベルギー戦が控えている」という理由でターンオーバーを予定。長谷部と遠藤、清武と香川が交代している。

 ブリントはデ・ヨングほど「6番」にフィットしておらず、本田への圧力も弱くなった。前半はたびたびデ・ヨングをフリーにしていた守備も後半はこなれてきている。

 遠藤が的確なパスで攻撃をリード すると、内側へ入る香川への対応にオランダは苦しむようになった。日本の攻撃が鋭さを増し、オランダのビルドアップは寸断されてロングボールを多用するように。

 前からプレスでハメて、ロングボールを選択させて回収する。この流れになったときに日本が強豪相手でも互角にやれるのはコンフェデ杯で証明されている。後半は完全に日本のリズムに変わった。

 余談だが、ファン・ハール監督は以前から「センターバックの左側は左利き」が持論である。この試合では予定していた左利き2人が使えず、仕方なく右利きのフラールを使ったが、ビルドアップの点で「良くなかった」と話していたのはファン・ハールらしかった。

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