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日本代表 10年前

“2番手”以上の存在感を示したGK西川周作。日本に流れ呼び込んだ高いビルドアップ能力に迫る

オランダ戦、GKは川島永嗣ではなく西川周作だった。2失点はしたが、彼の良さが出た試合でもあった。西川の武器は正確なキック能力。DF陣との細かなやりとりから攻撃の起点となり、日本に流れをもたらした。

text by 河治良幸 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

DFに細かく動きを要求していた西川

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西川は出場した試合で高い勝率を残し、東アジア杯では優勝を経験した【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 オランダと2-2の引き分け、それ以上にザッケローニ監督が求めていた内容面でもポジティブなものを見せた日本代表。世界でもトップレベルのパスワークを誇るオランダに対し、多くの時間帯で試合の主導権を握りながらチャンスを構築できた要因の1つが、GK西川周作のビルドアップだった。

「心の準備はしていた。来い来い来いと」

 そう笑顔で応える西川は“川島永嗣の2番手”という位置付けの中で折れることなくチャンスに備えている。出場はオランダ戦を含め11試合(先発した9試合)で7勝3分1敗と高い勝率を残している。

「ホームが多かったので。でも、いいことですね」と語る西川はキャッチングやカバーリングといった守備の安定感に加え、ビルドアップでも高い存在感を示す。

「基本的にサイドの選手がフリーの時にはサイドチェンジを使って、チャンスがあれば(本田)圭佑にボールを当てて、クサビを入れる様なイメージは常に持っている」と語る西川は、相手FWのプレスに応じてディフェンスやボランチからバックパスを呼び込みながら、広角にキックを繰り出した。

 キック力は川島もあるが、西川の持ち味は相手のプレッシングに慌てることなく、落ち着いて的確なパスのターゲットを探せること。さらに「自分に出したらもう1回動いてくれと、それは言っていた」と語る様に、ディフェンスラインの選手が西川からパスを受ける予備の動きにも細かい要求をしているのだ。

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