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我那覇ドーピングえん罪事件から6年。理事会の“司法機関”への干渉を禁止したJFA改革

text by 川端暁彦

ナビスコで出場停止“消化”の裏ワザは不可に

 今回の理事会では、司法機関の独立といった問題のほかに、競技規定の改定も行われた。ファンに直接的に関係しそうなのは2点。まずは出場停止処分に関する規定の変更である。従来は公式戦で退場処分を受けた選手は、直近の公式戦で出場停止になるというレギュレーションだった。

 たとえば、土曜日のJ1の試合で退場し、翌週の水曜日にナビスコカップがあるというケースでは、このナビスコカップが出場停止になる仕組みだ。だが今回はこれをあらため、同一大会で出場停止処分を消化すると定めた。この例でいけば、ナビスコカップは出場停止とならず、翌土曜日のJ1の試合で出場停止となる形である。

 例外は処分が最終節、最終戦をはみ出したケースで、たとえばナビスコカップの予選リーグ最終節で退場し、チームも敗退していたといったケースでは、従来どおりに直近の公式戦で処分を消化することになる。

 世界的に見てもこちらが一般的なルールだからというのが改正理由の筆頭に挙がっているが、そもそもこちらのほうがより公平というもの。代表招集でそもそもいないナビスコカップで出場停止を「消化」するケースも少なくなかったが、これでそれはなくなった。

 また、育成年代でリーグ戦が一般化し、カップ戦をその合間に消化していくという方式が定着したことで、その処分の事務的な処理が極めて煩雑化し、現場が混乱していたという現実もある。妥当なルール改正であるように思う。

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