香川は左サイドでも輝ける――。ファン・ペルシー復帰後に求められるルーニーとの“三角形”

2013年11月30日(Sat)11時15分配信

シリーズ:フットボール母国の神髄
text by 森昌利 photo Ryota Harada , Kazhito Yamada / Kaz Photography
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素晴らしい飛び道具であるがゆえに…

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ロビン・ファンペルシー【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ファン・ペルシーのユナイテッド移籍は香川だけでなく、ファーガソン前監督にとってもある意味誤算だったと思う。モウリーニョが明らかにしたことでも分かるように、昨シーズン当初、老将は香川を軸に新しいスタイルを築こうとしたのだろう。

 この前年の2011年5月に行われた欧州CL決勝後、ファーガソン前監督は「もう少し競れると思った」と語り、バルセロナとの力量差を素直に認めた。

 最も差があると感じたのは決定機の質だろう。とくにユナイテッドには縦の連携で相手の最終ラインを崩すクオリティが不足していた。そこで香川を獲得し、ルーニーをはじめとする攻撃陣と、ショートパスを交換する縦の関係を築こうとしたのだと思う。

 ところが突如としてファン・ペルシーが獲得可能になった。とにかく彼にボールを集めればなんとかしてくれる、凄まじいフィニッシャーだ。連携もへったくれもない“飛び道具”といっていい存在である。

 とくにスペースも時間もないプレミア戦でこれほど効果的な点取り屋はいない。どんなボールにも抜群の距離感とどんぴしゃのタイミングで対応し、ワンタッチで決めてしまうのだから。

 結局、ファーガソン監督は、香川の相棒と見込んでいたルーニーが「フィットしていない」(これは今もサー・アレックスとルーニーの間で論争の的となっているが)と判断したこともあり、昨年の9月の段階で早くもファン・ペルシーを大黒柱として起用し始めた。

 それから香川は左サイド、もしくは右サイドで出場するようになった。そんな折り、10月23日に行われたブラガとの欧州CL戦でひざをひねり、長期休養を余儀なくされた。これでファン・ペルシーの重要性がさらに増してしまった。

 ところがあれから1年が経った今、ルーニーと香川が消えて、ファン・ペルシーが際立った昨シーズンと反対のことが起こりつつある。

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