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Jリーグ 10年前

マリノスがJ1優勝を懸けて最終節に戦う川崎。要注意FW大久保嘉人はなぜ後半に得点を量産しているのか?

最終節までもつれ込んだ今季のJ1優勝争い。首位の横浜F・マリノスが戦うのは川崎フロンターレだ。川崎は現在5位と難敵であり、さらに要注意人物がいる。FWの大久保嘉人だ。彼に関しては興味深いデータがある。後半になるほど得点力がアップしているのだ。これはなぜなのか?

text by 河治良幸 photo by Asuka Kudo / FootballChannel

興味深い川崎の得点傾向

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川崎と大久保の後半の得点率

 0-0のまま迎えた後半ロスタイム5分、レナトからエリア内の左でパスを受けた大久保嘉人が、鋭い切り返しから冷静にフィニッシュ。川崎フロンターレは5位に浮上し、横浜F・マリノスとの最終節に勝利すれば来季ACLの権利を獲得する希望も出てきた。

 3試合連続となるゴールで得点王に大きく近づいた大久保に関して注目したのが、時間帯別の得点だ。筆者の新刊『サッカーの見方が180度変わるデータ進化論』(ソルメディア)はデータを活用しながら実際の試合を観ることにより“印象論”で語られがちな傾向を打破することを目的としている。

「時間帯別の得点率」は構成上の理由から入れられなかったデータの1つだが、大久保の得点を前半と後半に分けて集計すると、非常に面白い結果が導かれた。

 今季において川崎がチームであげた64得点の内、39得点は後半に記録したもの。「後半の得点率」は60.9%と全体的にも高い数字だが、大久保に絞ると26得点の内、実に17得点が後半に生まれており「後半の得点率」は65.4%となった。

 ほぼ3分の2は後半に記録されたことになる。縦のホットラインを形成する中村憲剛が「今まさにストライカーとして研ぎ澄まされている」と評価する大久保はなぜ後半にこれだけのゴールをあげることができたのだろうか?

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