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三つ巴の争いとなったJ1優勝の行方。勝負を分けるのは得失点差か

優勝に王手をかけていた横浜F・マリノスだったが、今節での悲願達成とはいかなかった。

text by 編集部 photo by Asuka Kudo / Football Channel

J1優勝の行方。勝負を分けるのは得失点差か
首位の横浜F・マリノスに先制点を決めた川又堅碁(アルビレックス新潟)【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 優勝に王手をかけていた横浜F・マリノスだったが、今節での悲願達成とはいかなかった。

 J1の第33節、勝てば9年ぶりの優勝となっていた首位の横浜F・マリノスは、ホームでアルビレックス新潟と対戦。6万人以上がかけつけて、優勝ムードを高めた。

 しかしシーズン後半、好調を維持しているチームだけあって新潟は手強かった。チーム全体コンパクトな陣形を保ちながら、出足の鋭さと切り替えの速さで圧力をかけて、横浜F・マリノスに攻撃のリズムを作らせない。

 そんな中でも前半をスコアレスでしのぐと、後半は徐々に横浜F・マリノスがペースを掴み始め、得意のセットプレーを中心に反撃。ただ新潟もGK東口の好手に阻まれて無失点で試合が進むと、72分、CKのこぼれ球に素早く反応したのは、得点ランク2位の川又堅碁。豪快にゴールネットを揺らした。

 これでリードを奪うと、ロスタイムにもカウンターから鈴木武蔵が追加点。終わってみれば、新潟が2-0で首位に完勝した。

 今節で優勝は決まらなかったものの、横浜F・マリノスは勝ち点62で依然として首位だ。一方、湘南ベルマーレに1-0で勝った2位のサンフレッチェ広島は勝ち点60。両者の勝ち点差は2だが、注目すべきは得失点差。

 横浜F・マリノスが2失点して負けたため、得失点差で広島が+1上回っているのだ。つまり最終節で横浜F・マリノスが引き分けに終わった場合、広島は勝てば勝ち点で並び、さらに得失点差で上回ることができる算段になる。広島にとっては、勝てば逆転優勝の可能性は十分にあると言えるだろう。

 3位の浦和レッズは、アウェイでサガン鳥栖に1-4で完敗。ここにきて連敗を喫し、優勝の可能性は潰えた。勝ち点でも鹿島アントラーズに抜かれ4位に転落。

 その浦和を抜いて3位に浮上した鹿島は、セレッソ大阪との激戦を勝ち抜き、勝ち点を59。ただし横浜F・マリノスとは勝ち点差3、得失点差でも9の開きがあるため、大量点で勝つか、横浜F・マリノスが大量失点で負けないかぎり、優勝は難しい。さすがに厳しい条件と言わざるを得ない。

 優勝争いは、横浜F・マリノスとサンフレッチェ広島の2チームに絞られたと言っていいだろう。最終節終了の笛が鳴り響いた時、果たして笑うのはどちらか。

【了】

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