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長友佑都 10年前

ナポリ戦ゴールも現地紙は「5点」。本当に長友は酷評されるパフォーマンスだったのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「1対1になっても今日は負ける気がしなかった」

 もっとも相手が外側から斜めに切ってマークしにくい状況では、左クロスへの視野を確保するのさえ大変だっただろう。

 ダイアゴナルの守備が出来ず、カットにも至らない状況は実戦でいくらでもあるし(現にナポリのSBは裏を突くインテル攻撃陣に殆ど対応出来ていなかった)、すぐ外側にいる相手を警戒しながら、さらに外側にヘッドを反らしてクリアしろというのもずいぶんな注文であるような気がする。それでもクリアが甘いところに入れば、それを逃さないFWがいるということだ。

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「1対1で負ける気はしなかった」と語る長友【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 しかしながら、ここからの長友のパフォーマンスは凄かった。時にコンビネーションから、時に自らの突破からサイドを破る。22分、対面のマーカーがプレスに来たところを果敢に抜き、縦パスでアルバレスを走らせる。

 43分には2人でカバーに入られたところを縦に抜き、左足で正確なクロスをニアのアルバレスへ通す。「1対1になっても今日は負ける気がしなかった」と彼は言っていたが、むしろ対面のSB、MF2人をまとめて料理していた印象だ。

 そして47分にはゴール。グアリンが右サイドで一人を抜き、シュート性のクロスを入れる。これをGKがセーブしきれず、流れて来たところをフリーで押し込んだ。右からの攻撃にはファーに必ず詰めるという意識と、そのために豊富なランニングを繰り返したことが呼びこんだ今季4点目だった。

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