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日本代表 10年前

02年は中山・秋田、10年は川口が“まとめ役”として貢献。ザックジャパンに“ベテラン枠”は必要か?

text by 藤江直人 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ベテラン枠より重要な“ジョーカー枠”

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競争の激化がザックジャパンのレベルアップに繋がる【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 足元の技術に長け、オランダ戦では日本のゴールマウスを守った西川周作(サンフレッチェ広島)に猛追されている川島も、来年の本大会では立場が逆転しているかもしれない。

 南アフリカ大会で川口、直前で守護神の座を奪われた楢崎正剛(名古屋グランパス)の両ベテランの立ち居振る舞いに鼓舞された川島も、来年3月に31歳になる。長くサブも味わった経験もあり、ベンチに甘んじる選手たちの気持ちが理解できる意味で、長谷部とともに「まとめ役」を任せられるのではないか。

 もちろん、現時点で長谷部や川島がサブだと決めつけているわけではない。無理をして「ベテラン枠」を設けるよりも、百戦錬磨の彼らがサブに回らざるを得ないほど競争が激しさを増せば、それだけザックジャパンのレベルが上がることになる。

 残り半年余りと迫った本大会までに、そうした状況が生まれることを願わずにはいられない。そして、これまでなら「ベテラン枠」に充ててきたはずの「1」ないし「2」を、ベスト8以降の扉をこじ開けるための「ジョーカー枠」として最大限に活用して欲しい。

 J1得点王のFW大久保嘉人(川崎フロンターレ)、待望論が根強いFW佐藤寿人(サンフレッチェ広島)をはじめとして、候補たちは虎視眈々と代表入りに挑むチャンスを待っている。

(所属は当時のもの)

【了】

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