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優勝以外は無意味、頂点のみを目指す王国・ブラジル。W杯で懸念される唯一の不安材料とは?

text by 下薗昌記 photo by Kenzaburo Matsuoka

優勝したときにいたのはスーパーなアタッカー

 一方で懸念材料もある。ロナウドの引退以降、モンスター級のエースストライカーを見出せていないブラジルの背番号9争いはやや小粒感は否めない。コンフェデで得点王を獲得したフレッジは2度目のワールドカップでレギュラー候補の最右翼だが、所属するフルミネンセでは負傷がちで本大会に万全な状態で挑めるかは不透明だ。

 ジョーやレアンドロ・ダミアンら五輪の大舞台を経験しているアタッカーも控えているが、かつて世界一に輝いたブラジルはペレやロマーリオ、ロナウドらスーパーなアタッカーを必ず擁していた。

 グループリーグの組み合わせは過去ワールドカップ本大会で一度も敗れた事がない相性のいい相手が揃ったが、史上最多を更新するエクサ(6度目)への道のりは必ずしも安易なものではない。

 1950年には決勝で「マラカナンの悲劇」という国家的な屈辱にまみれたブラジル。今大会、ブラジルが「聖地」マラカナンで試合を行えるのは唯一、決勝の大舞台のみ。国民全員が代表監督とさえ言われるサッかー王国のエリートたちにとって優勝以外は意味を持たない大会だ。


担当記者による分析
目標:優勝
ノルマ:優勝

【了】

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