優勝以外は無意味、頂点のみを目指す王国・ブラジル。W杯で懸念される唯一の不安材料とは?

W杯を開催国として迎えるブラジル。狙うは当然優勝だが、ノルマも優勝。王国にとって頂点以外は意味を持たない。スコラーリのサッカーは手堅く、守備は安定。ネイマールもオーラが出てきた。だが、不安材料もある。優勝したときの共通点が今のチームにはまだない。

2013年12月19日(Thu)12時46分配信

text by 下薗昌記 photo Kenzaburo Matsuoka
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“結果のサッカー”体現するスコラーリ監督

優勝以外は無意味、頂点のみを目指す王国・ブラジル。W杯で懸念される唯一の不安材料とは?
2002年にブラジルをペンタ(5度目)に導いた名将、ルイス・フェリペ・スコラーリ【写真:松岡健三郎】

 2002年の日韓大会での優勝を最後に12年間、世界一から遠ざかっているブラジル。1950年以来となる自国開催は失墜したサッカー王国の復権に向けた絶好の機会であると同時に、優勝だけが義務づけられる戦いの場だ。

 ブラジルらしい芸術的な薫りは一切排除し、勝つことだけに邁進したはずのドゥンガ体制で挑んだ前回の南アフリカ大会はベスト8。

 自国開催に向けて、マノ・メネーゼスが指揮を執ったものの、チーム作りは順調とは言えず、予選を免除されたチームにとって数少ない真剣勝負の舞台だった2011年のコパ・アメリカで惨敗を喫し、更に兼任した昨年のロンドン五輪でも決勝敗退。

 ネイマールやオスカールら世界屈指のタレントを擁しながらも、一向にチームベースを定め切れない指揮官が昨年11月に電撃解任されたのは、必然の結果だった。

 立て直しを託されたのは2002年にブラジルをペンタ(5度目)に導いた名将、ルイス・フェリペ・スコラーリ。

 勝負強いサッカーにこだわるブラジル南部のリオ・グランデ・ド・スウ州出身で、ブラジル国民の多くが愛するフッテボウ・アルテ(芸術サッカー)ではなく、対極的なフッテボウ・レズウタード(結果のサッカー)の体現者ではあるが、絶大な重圧がかかる本大会の指揮にうってつけの人物に白羽の矢が立った格好だ。

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