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本田圭佑 10年前

内部抗争で迷走するミラン。名門の救世主は“10番”本田か、変革の旗手・バルバラ嬢か

text by 倉石千種 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Kenzaburo Matsuoka

本田の加入が遅れた理由にもなった補強費の拡大

 ベルルスコーニ氏の2人目の妻の子として生まれたバルバラ氏は1984年生まれの29歳。以前、パトとの交際で世間を騒がせたこともあったが、父同様にサッカーへの情熱を持ち、2011年からCDA(ミランの運営委員会:株主)として入り、代表権を取得した。相談役兼特別プロジェクト推進委員会会長にも就任。その“ベルルスコーニ・レディ”が攻撃をしたのが、ガッリアーニ氏が手掛けた補強における費用対効果だった。

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補強が結果に結びつていない【写真:松岡健三郎】

 確かに現在の補強がうまく結果に結びついているとは言い難い。2012-2013シーズンには5600万ユーロを費やして補強を断行。バロテッリを2700万ユーロで獲得し、マトリにも1100万ユーロをつぎ込んだ。

 だが、多くの選手に支払った金額とその結果が見合っていない。それはテベスに900万ユーロしかかけていないユベントスが現在、セリエAのトップに君臨していることと比べても、明白だ。

 そのほか、ガッリアーニ氏の友人・プレツォージ氏が会長を務めるジェノアからコンスタンを800万ユーロで獲得したのを始め、エルシャラウィに1600万ユーロ、アメリアに500万ユーロ、ソクラティスに600万ユーロという大金を投入してきた。

 まさにこの点が、この夏に本田の獲得資金を用意できなかった大きな要因のひとつでもあった。契約が半年遅れたことで、本田は今季のCLにも出場ができない。これには誰もがマイナスしか感じていない。

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