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“同情票”でクリロナ有利。それより論ずべきは“人気投票”と化したバロンドールの本当の価値と存在意義

text by 山本美智子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ただの人気投票ではないのか?

 メッシとロナウドが同じ時代に生まれたことは、サッカーを愛する者にとっては、かけがえのない幸せだ。しかし、ワールドカップで代表のためにゴールを決めて、チャンピオンズリーグやリーグ優勝にも深くかかわったアンドレス・イニエスタは受賞することができなかった。そこまでしても、評価されないバロンドールとは何なのかという根本的な疑問が湧いてくる。

 ここ4年で連続受賞しているレオ・メッシが受賞の度に「これはチームメートなしでは自分が手にすることはできなかった」と毎回コメントするが、実際はチームメートだけではない。

 相手チームの選手やスタジアムに足を運ぶサポーターや芝やスタジアムを整備する人々やそれを取り上げるメディアや、本当に多くの人々が参加して、サッカーというショウは成り立っているのだ。

 バロンドールというお祭りに水を差す気はない。ただ、たった一人の選手に、それもたいていはアタッカーに、そして人気がある選手でなければ与えられないこの賞の意義を改めて問いかけてしまうのだ。

【了】

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