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2015年の君たちは――。東京ヴェルディユース、花の92年組を追って:第3回 高野光司(前・FC町田ゼルビア)

「寝る前にパソコンを見て、世の中にはこんな仕事があるんだと発見することも」

「期待して上げてもらったのに、何ひとつヴェルディに貢献できず、申し訳ない気持ちです」

 テーブルに置いたICレコーダーの上に、はらりと何かが舞い降りた。枯れ葉だ。僕はそれを手に取る。ギザギザの部分をなぞりながら、気を取り直して明るい口調で話す。サッカーは続くわけで、だってほら、ほかの仕事をするつもりはないんでしょ?

 高野はゆっくりした動作で背筋を伸ばした。

「……正直、悩んでて。いろんなことを知りすぎたのかな。さっき、マサカ(相馬将夏・法政大3年)が言っていた話、あいつがやみつきになった2010年の夏のこと。僕にとっても思い入れが深くて、またああいうふうにサッカーをしたいけど、本当にできるのかな、ちょっと厳しそうだなと思ったり。いい機会……機会というのはヘンかもしれませんが、タイミングならいましかないのかなと」

 おい、待て。ついさっきまで陽気にあれこれ話していたのに、ちゃぶ台をひっくり返されるようなものである。釣竿がビクンとしなった感触を、嬉々として語っていたときのテンションはどこへいった。

「寝る前にパソコンを見て、世の中にはこんな仕事があるんだと発見することも」

 僕は枯れ葉をちぎっては投げ、ちぎっては投げる。インタビュアーにあるまじき態度だが、手が止まらなかった。違うんだよ。今日はそんな話を聞きに来たんじゃないんだ。

「すごく悔しい気持ちはあります。でも、チャンスを生かせなかった自分がすべて。メンバー外でもしっかり練習をやって、それでも試合に出られないことがあるんだとわかって、わかってはいるけどもどかしくて、疲れちゃったというか……。うまく言えないですね。とにかく、もどかしい気持ちでいっぱいです」

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