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今季は既に9ゴール。マインツの熱血指揮官が明かす、岡崎慎司はなぜ得点を量産できるのか?

岡崎慎司が好調だ。所属するマインツでは得点を量産、既に9ゴールをあげ、地方の小クラブをEL圏内付近まで引き上げている。彼はなぜゴールを量産できるようになったのか? トゥヘル監督に聞いた。

text by 元川悦子 photo by Ryota Harada

ビッグクラブではないマインツ

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マインツでプレーする岡崎慎司【写真:原田亮太】

 ボルフスブルクやボルシア・メンヘングラッドバッハという資金力に恵まれたクラブに交じって、今季ブンデスリーガでヨーロッパリーグ(EL)圏内の6位を争っているのが、岡崎慎司の所属するマインツだ。

 フランクフルト郊外にある人口20万の小都市に本拠地を置くこのクラブは明らかに規模が小さい。スタジアムこそ約3万4000人収容のコファス・アレナを使用しているが、練習場は老朽化が進んだブルッフヴェクシュタディオンと外のグランド2面と環境面も貧弱だ。

 ドイツ代表選手は皆無で、各国代表に名を連ねるのは岡崎と韓国代表のク・ジャチョル、カメルーン代表のシュボ=モティンくらい。際立ったタレントは不在といっていい。「地方の小さなクラブ」と岡崎自身が自嘲気味に言うこのクラブをここまで躍進させているのが、2009年からチームを率いる40歳の青年指揮官、トーマス・トゥヘル監督だ。

 同監督は一風変わったトレーニングをする指導者として知られ、松本山雅の反町康治監督、V・ファーレン長崎の高木琢也監督らも注目している。ハーフコートを使った11対11のゲームではゴールの後ろにもう1つゴールを置いて攻撃陣の裏を狙うより意識を高めたり、同じハーフコートの7対7でもゴール前のエリアを少し狭くて攻撃側の難易度を高めて崩しの創造力を養う…といった意外性のあるメニューを連日、実施している。

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