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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第9回 監督、営業、広報活動…恐ろしいほど広がる仕事の幅

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

7月21日 On the pitch 関東リーグ2部第13節 対浦安SC戦(アウェイ)

 4月の敗戦から3ヶ月。この日を楽しみにしていた。前回の対戦では、真向から挑み、策なく敗れた。

 ここまでのリーグの成績は浦安は11勝1分けの独走状態。VONDSは7勝4敗と2位つけながらも、色々な部分で差が出ている状態であった。11節のアルマレッザ戦以降、戦い方を変え、チームが上り調子だったこともあり、その流れを汲むことにした。

 浦安はとても良いチームだと思っている。右サイドバックの秋葉、ボランチの村田、サイドハーフの清水、FWの岩永、長谷川。ストライカーの田中。俗に言う、サッカーを知っている選手が各ポジションにいて、効果的なプレーをする。

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第9回 監督、営業、広報活動…恐ろしいほど広がる仕事の幅
【写真:©VONDS市原】

 どのカテゴリーでもうまい選手は山ほどいるが、最後に生き残ることができるのは効果的なプレーを意図的にできる選手だけである。そんな選手が多く集まるチームはやはり強い。自分はVONDSもそんなチームにしたいと思っている。

 浦安戦は前回対戦の反省を踏まえ、試合の入りを大事にした。前回は開始直後から圧倒され、そのまま失点をした。しっかりゾーンディフェンスを敷いて、耐える時間帯をあえて作った。しかし、狙い通りにいった部分もあったが、予想以上にボールを回され、MFのパワーを守備で奪われていたのは事実だった。

 後半に入って一気に試合が動く。開始早々に村山のすばらしい個人技から先制点。その10分後に左サイドを崩され失点。後半15分、村山から宮内へ裏へのスルーパスから最後は小川が押し込み2-1。

 ここがひとつの勝負の分かれ目だったと思うが、途中交代のカードをほぼ決めかけていた時の得点だったことで、すぐには動けなくなった。得点後の流れを見極めることに集中していたが、色々交代を想定するものの、なかなか腑に落ちる感覚がなく、時間だけが過ぎていった。ベテランの山根がきつそうだったのはわかっていたが、これといった根拠もなく、運動量を期待して交代カードを切ってしまった。その2分後に同点とされる。

 途中交代の選手が期待通りでないというケースももちろんあるが、この失点に限っては自分の交代ミスだったと今では思う。交代直後は必ずよくも悪くも状況は変わることが多い。

 同点弾から3分後には逆転弾を喰らう。まさに交代のタイミングが明暗を分けた試合だったように思う。もちろんそれだけが、原因ではない。浦安はよく鍛えられたチームで終了間際にもさらにギアーを上げれる印象を受けていた。

 リーグもこれで5敗目。ただ浦安の存在は自分達が成長する上で大事なチームだと確認できた。今回の敗戦は意味のあるものだったと自分の中で納得できたので、気持ちはすぐに切り替えることができた。

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