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Jリーグ 10年前

英国人記者が見た“名古屋の変化”。西野新監督はピクシー時代と何を変えたのか?

text by ショーン・キャロル photo by Kenzaburo Matsuoka

「周りのみんなが言うような難しさを感じていない」

「金曜日は別として、大部分の日は練習時間が2時間だ。しかし、ほとんどの選手がさらに2時間は居残りしている。私も2、3時間は残業しているよ! それは大きな変化だ。ピクシーのもとでは、通常1時間で最大でも1時間15分だった。

 ピクシーのプレー方法は自由で開かれたものだったし、本当に悩まされなかった。彼のアプローチは普通の日本人監督とは明らかに異なったものだったと思う」

 しかし、ケネディは西野監督の下で楽しんでいて、新監督のイメージするチームを形成するためには忍耐が必要なことに気付いている。

「監督交代は良かった。チームはピクシーのもとで多くの年月を過ごした。そして、そこから変化することは4、5週間で出来ることではない」

 ストイコビッチの後釜に座ることに臆してはいないことは、西野監督も同意している。

キックオフカンファレンスでセルビア人から引き継ぐことで重圧を感じるか訪ねたとき彼は「私がその重圧を感じる必要があるとあなたが言うならば」と言った。

「しかし、私は11人の新しい選手とともに入った。それによって、チームの3分の1が変わった。私はピクシーから引き継ぐことで、周りのみんなが言うような難しさを感じていない」

 前任者の成功が彼を威圧してはいないが、(西野監督はガンバ大阪とともに全ての国内タイトルとACLを勝ち取ったことをお忘れなく)彼は一晩でクラブに新しい文化が根付かないことを知っている。

「普通にあるべきものが、以前は無かったと思う」と、彼は説明した。

「もちろん、前監督が6年間ここにいたことで、多くの物事が染み付いている。あらゆる点で物事を変えることは難しい。しかし、私にはそれをやる覚悟がなければならない。変化が難しくても押し付けることは出来ない」

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