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Jリーグ 10年前

英国人記者が見た“名古屋の変化”。西野新監督はピクシー時代と何を変えたのか?

text by ショーン・キャロル photo by Kenzaburo Matsuoka

「彼らが入っていきなりフィットするのは難しい」

英国人記者が見た“名古屋の変化”。西野新監督はピクシー時代と何を変えたのか?
田中マルクス闘莉王【写真:松岡健三郎】

 すでに著しく異なる点が1つある。それは、グランパスの先発メンバーだ。特にディフェンス陣では、昨季の4バックからは田中マルクス闘莉王が唯一残り、田鍋陵太、大武峻、本多勇喜をリードする役割を果たす。

「多くの若い選手がチームに加入した。そして、昨季のレギュラークラスのほとんどが放出されたので、我々はその切り替えに対処にしなければならなかった」と、西野監督は話した。「私は、結果も求めながら、同時に若い選手の成長を考えなければならない」

 ケネディは新選手がチームに組み込まれる過程が一貫しているため、結果が出るまでに少し時間がかかることを理解している。彼らが数年前と同じように、ランキングテーブルの一番上を争うことがチームの目標ではないかもしれないことを認めた。

「私は、それは難題だと思う」と、彼は言った。

「誰もが“我々が存在する限りタイトルに挑戦するつもりだ”と言うのが好きだが、現実はバックスが3人も変わっている。(田鍋)陵太は通常右サイドバックではない。彼はアタッカーだ。そして、ほかの2人もほとんど新米だ。1人は大学を出たばかりで、もう一人はまだ5、6試合しかこなしていない」

「彼らが入っていきなりフィットするのは難しい。我々は、4人の優秀な選手を失った。(スターティングメンバーに関して)私は、時間が経つのを待って、結果を待とうと考えた。私が言ったように、結局はそれが最も難しいことだ」

 ケネディの言うことはもっともだ。だが、実績ある西野監督が意のままに扱え、勝利に近づく勇敢な選手を獲得出来れば、すぐに銀皿(優勝)へ挑戦出来るはずだ。

【了】

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