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フランスで独走、PSGの真の実力がわかるCLチェルシー戦。モウリーニョは挑発「若手の成長には有意義な試合」

text by 小川由紀子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

サイドも中央も破壊力抜群のチェルシー

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破壊力抜群のチェルシーアタッカー陣【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 アザールのシュートをハンドでクリアしたチェンバレンのファウルに対し、その現場を目撃していなかった主審が、誤って左SBのギブスを退場処分にする、という珍事にも仰天したが、6点をぶちこんだチェルシーの勝ちっぷりは見事だった。

 アーセナルには75分間を10人で戦うハンデがあったとはいえ、開始7分ですでに2-0にされていたのだから、「どんな相手であろうと、開始10分で相手をズタズタにできる。この試合は10分でカタがついた」と試合後にモウリーニョ監督が自信満々に言い放ったのも、詭弁ではないだろう。

 チェルシーにとってはこの日はすべての策が奏功したパーフェクトな試合だった。5分に先制点をあげたエトーが、その後負傷を訴えて10分にトーレスと交代したが、その彼がその後は攻撃によく絡んでオスカルの4点目をアシスト。

 オスカルは66分に2点目を挙げたあと今冬入団したばかりのエジプト人ウィンガー、モハメド・サラーにバトンを渡し、そのサラがピッチに上がってわずか4分後に得点と、交代策も見事にはまった。

 アザール、オスカル、シュールレが形成するアタッカートリオは、頻繁にポジションを入れ替えながらスピーディに攻める。彼らにあのスピードでスクランブル攻撃をしかけられたら、ディフェンスは一瞬我を見失ってしまう。

 そして、ボランチとしても存在感を発揮しているダビド・ルイスと、1月に出戻ったセルビア代表マティッチの中盤コンビの支配力が凄い。アーセナルはこの日ことごとく中盤でボールをもぎ取られ、中央からの突破を許した。アザールやオスカーのいるサイドの警戒は怠れないが、中央の破壊力も絶大とあっては、相当に手強い相手だ。

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