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ドイツ国内では皆が逆転勝利を確信。ペップ・バイエルンがレアルにまだ見せていない“別の顔”

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

セオリー通りだった初戦。マンジュキッチ先発は最適ではなかった?

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セカンドレグで先発出場が濃厚なゲッツェ【写真:原田亮太】

 第1戦のあとにペップが「次戦ではギアを上げることができる」といった発言を残したように、サンチャゴ・ベルナベウの一戦はやはり前後半合わせて180分間の内の90分に過ぎなかったのかもしれない。

 振り返ればバイエルンの攻撃は、マンジュキッチの頭をめがけたボールといったように、どこか単線的なものが目立ったのも事実である。24日付のKicker誌の巻頭コラムでは、かつてバイエルンに所属し、ドイツ代表にも名を連ねたトーマス・ヘルマーが「私は、バイエルンのキックオフ時のフォーメーションは最適なものではなかったと思う」と述べる。

 その理由としては、「ペップ・グアルディオラは競り合いに強いペペとセルヒオ・ラモスに対してわざとらしくレシピを持ったが、だがマリオ・マンジュキッチはほとんど試合を通り抜けた」とし、クロアチア人FW、そしてリベリーの不調を上げている。

 やはり様子見の色合いが強かったのだろうか。「最適なものではなかった」とするヘルマーの言葉を借りれば、第1戦のバイエルンのフォーメーションは、偽9番ならぬ偽フォーメーションだったと取れなくもない。それ自体が第2戦に向けての布石、ということだ。

 第2戦の直近の試合となった4月26日のブンデスリーガ第32節ブレーメン戦では、第1戦では途中出場となったミュラー、ゲッツェ、マルティネスがスタメンに名を連ね、5-2のスコアで大勝した。

 そしてミュンヘンの地に迎えるマドリーとの決戦では、おそらく引き続きミュラー、ゲッツェが先発に名を連ね、相手の4-3-3のフォーメーションの4と中盤の3との間のスペースを有効に使うような戦い方を仕掛けていくのではないだろうか。

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