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長友佑都 10年前

絶対に負けられないラツィオ戦で汚名返上したインテル。長友に受け継がれるサネッティの飽くなき向上心

text by 神尾光臣 photo by Mitsuomi Kamio , Kazhito Yamada / Kaz Photography

サネッティに学んだ長友

絶対に負けられないラツィオ戦で汚名返上したインテル。長友に受け継がれるサネッティの飽くなき向上心
長友佑都【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 さらに23分からは、故障上がりのためこの日はベンチスタートだったカンドレーバも右サイドに投入される。セリエAでは指折りのクロスマシーンは何度も攻め上がるが、長友は破綻を来さずに守り切る。そして終了間際にエルナネスのミドルシュートが決まって、インテルは無事に勝利をものにした。

 それにしても、攻めあぐねるシーンの多かった前節が信じられないほどの向上ぶりである。その秘訣は実にシンプルなもので、つまり練習である。「僕が貰いたいタイミング、あとはコバチッチとの連係だったりというのは常に話し合って一週間やって来たので、それが本当にこの試合に出たと思う」と長友は言った。

 そしてこのプレーが、サネッティのホーム最終試合で繰り出せたことは実に象徴的である。ダービーの敗戦から頭を切り替え、練習の中で欠点を解消し、クオリティの向上を目指す。これはまさに「どんなときもポジティブで、常に前を見て練習を100%で臨む(長友談)」というキャプテンの姿勢そのものではないだろうか。

 振り返ればインテル移籍当初の長友は、チャレンジに消極的になることもしばしば。試合後には反省の弁も耳にした。そんなことが遥か昔に思えるほど上達し自信もつけたが、サネッティの姿勢に学んで練習を積み、それを通して伸びた部分はきっとあるはずだ。ここまでの長友の成長は、サネッティのいるインテルだからこそ実現したのかもしれない。

「今まではピッチでチームを守って来たが、同じように外から僕はチームを守りたい」

 サネッティはフロント入りを宣言した。彼のスピリットが後世にどう伝わり、新しいインテルが出来て行くのか楽しみにしたい。

【了】

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