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負傷者続出で発表持ち越しとなったW杯スペイン代表。指揮官が頭を悩ませる「8-4」の引き算

text by 山本美智子 photo by Getty Images

負傷のジエゴ・コスタ。デル・ボスケ監督ものどから手が出るほど欲しい存在

負傷者続出で発表持ち越しとなったW杯スペイン代表。指揮官が頭を悩ませる「8-4」の引き算
ジエゴ・コスタは外国人選手を除くリーガの得点王【写真:Getty Images】

 もとい、やはり一番大きな問題は、スペイン国籍を取得しブラジル代表でのプレーをあきらめてまでスペイン代表でプレーすることを選んだジエゴ・コスタだ。

 リーグ戦の最終節、CL決勝と負傷していると言われながらも、まさかのスタメン出場を果たし、両試合とも15分ともたずベンチに引き下がることになった。シメオネ監督は、コスタの強行出場を自らの判断ミスだと認めたが、一度ならず二度も同じミスを犯すとは、スタンド観戦していたビセンテ・デル・ボスケも気が気でなかったことだろう。

 そして、このシメオネの判断は、そこまでのリスクを犯してまでコスタを使いたかったという選手への絶大な信頼の証でもあるのだ。

 以前、ある監督がチャビを指して「完璧なコンディションではなくても、そこそこの状態であれば、他の完璧なコンディションの選手よりも信頼がおける」と評したことがあったが、コスタの場合もそういった監督の本音が見え隠れする。

 だからこそ、デル・ボスケ監督もギリギリまで待ちたい、本音を言えば連れて行きたいとの思いをあきらめきれないのだろう。

 スペイン代表の攻撃の要は、ここ数年ビジャで決まっているが、ジエゴ・コスタは外国人選手を除くリーガの得点王。その攻撃力をのどから手が出るほど欲しいのは代表監督として当然だ。

 コスタのリーガでの得点数は26、アトレティコでコスタとコンビを組むビジャが12、コスタの次点にくるスペイン代表選手はペドロで15だ。爆発的なコスタの数字にはどちらも及ばない。コスタの代打として、ジョレンテ、ネグレド、ナバスの名前があがっているが、コスタと比べて見劣りがする感は否めない。

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