フィクサーたちに牛耳られていたジンバブエの協会
その数日後、日本代表チームは、「フットボール・4U・インターナショナル」がほぼすべてにおいて取り仕切ったゲームでプレーした。その試合は、トレーニングキャンプで6月10日に行われた。
これだけははっきりと言っておく。日本代表チームの選手や監督ならびにコーチが八百長に関与したとは誰も考えてはいない。だが、FIFAの極秘報告書では、捜査員らがその試合を「疑わしい」ものだと見ており、「さらなる捜査」を要求している。報告書には、こう書かれている。
「この試合を巡ってはかなりの不明瞭さが存在する。シンガポールのシンジケートによる典型的なやり方である。試合直前に手配が行われ、会場が変えられ、試合の形式も変わり、審判も交代になった。
この試合は、ジンバブエ代表団の団長、ベンジャミン・モヨ氏のジンバブエサッカー協会に宛てた報告書で触れられている。彼は、マラウィから来た選手エージェントのフェリックス・サパオ氏によって、選手たちが金銭的援助を与えられていたと述べている。彼はまた、シンガポールのシンジケートのメンバーたちが試合会場にいたことも言明している」
FIFAの捜査員たちはなぜそこまで疑っているのか。
それは、フィクサーたちがジンバブエサッカー協会の大部分を事実上、運営していたようなものだったからだ。彼らはチームの移動をアレンジし、何人かの選手やコーチ、協会関係者らに金銭を渡していた。これは、ジンバブエの捜査当局が自らの言葉で認めている事実だ。
南アフリカのゴッダードが、会場に入る審判たちを追い返したことで殺害予告を受けたのはもう4年前のことだ。結局、ゴッダードの身に何が起きたのか。ゴッダードが審判たちを追い返したのはその1試合だけだった。そして、南アフリカサッカー協会はゴッダードをクビにしたのだった。
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4年前、岡田ジャパンはチームをガラリと変える賭けに出ていた。W杯での勝利に向かって懸命にプレーしていたその試合で、残念ながら八百長が行われていた。6日(現地時間)に対戦するのはザンビア。果たして何が起きるのか――。
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