“5人目の刺客”としてフィニッシュへの導火線となる――。“ジョーカー遠藤”が日本代表にもたらす最大の利点

2014年06月13日(Fri)7時20分配信

text by 北條聡 photo Asuka Kudo / Football Channel
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今の日本に「弁慶」「助さん・格さん」がいるか?

“5人目の刺客”としてフィニッシュへの導火線となる――。“ジョーカー遠藤”が日本代表にもたらす最大の利点
■案1 4-3-3を採用した場合
中盤の3つの席を遠藤と「用心棒」2選手が独占。守備力は補強されるもトップ下で能力が最大化される本田は別のポジションへ移る必要がある。現行の4-2-3-1で4人で攻撃できるメリットも失う。

 余談ながら、イタリアの鬼才アンドレア・ピルロの「活かし方」も同じである。ミラン時代も、現在のユベントスでも、そして現在のイタリア代表においても、ピルロの両脇を固める「用心棒」が2人いる。ピルロを水戸の黄門さまに例えれば「助さん・格さん」の役どころ。

 ミラン時代におけるクラレンス・セードルフ(マッシモ・アンブロジーニ)とジェンナーロ・ガットゥーゾ、ユベントスでのクラウディオ・マルキージオとアルトゥーロ・ビダル、イタリア代表でのマルキージオとダニエレ・デロッシらが有名だろうか。いずれも球の争奪で屈しないグラディエーター(剣闘士)の一面を持つ選手たちだ。

 ピルロと用心棒1人をセットにしたドイスボランチの採用はレアケースと言っていい。この場合の相方は決まって、屈強の戦士なのだ。マルチェロ・リッピが指揮を執った時代のイタリア代表では『闘犬』ガットゥーゾがその大役をこなしている。オシム風に言えば「水を運ぶ人」だ。こちらは牛若丸(ピルロ)と、彼に従う弁慶の関係だろうか。

 いまの日本に「弁慶」の務まる大駒がいるのか。いなければ「助さん・格さん」の選択になるが、それにはシステムの再編が必要になる。4年前(4-3-3)に時計の針を戻すのか、あるいは本田のトップ下を維持する4-3-1-2へ大きく舵を切るのか。

 前者なら中盤の「3つの席」を遠藤と2人の用心棒が独占し、トップ下で長所が最大化する本田を別のポジションへ動かす必要がある。そのうえ、4人のアタック陣で攻め込む現行システムのメリットまで失ってしまう。

 逆に、後者なら本田をトップ下として生かせる反面、攻撃の幅(サイドハーフ)を失い、2トップの能力に大きく依存することにもなる。おまけに、新システムの完成度を高める時間は、ほぼないのだ。

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