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「破滅の運命」「この世の終わり」。母国イングランド敗退に現地は絶望。若手起用が唯一の希望

text by 山中忍 photo by Getty Images

批判はあったが評価は高かったルーニー

 代表エースのルーニーは巷で「口撃」の的にされた。「過剰評価」、「スタメン失格」など、ソーシャルメディアでのバッシングが絶えなかった1週間。スアレスに真のワールドクラスとして格差を見せつけられた感はある。

 ルーニーは待望のW杯初得点を上げたが、その同点ゴール前の2度のチャンスでは、ヘディングがゴール枠に阻まれ、左足シュートが相手GKの正面をついた。

 一方のスアレスは、2度のチャンスをセーブ不能なヘディングと右足シュートで2ゴールに変えた。とはいえ、「限界」説は酷。至近距離で合わせただけだが、グレン・ジョンソンのクロスが届いたファーポスト側には、ルーニーが詰めていてくれることを国民の誰もが願っていたはずだ。各紙でも、マッチレポート自体では7点前後でチーム内最高の評価を得ている。

 ホジソンに関しても、更迭要求こそないものの、やや過敏な国民の反応を前に、協会のグレッグ・ダイク会長が「続投支援」を公言しなければならなかった。

 手腕が疑問視された理由の1つが、イタリア戦での左サイドから本来のトップ下に戻したルーニーの起用法。元代表DFで現解説者のマーティン・キーオンのような識者も含め、ラヒム・スターリングの2試合連続トップ下登用を望む意見が多かった。

 だが、19歳で国際大会初体験のスターリングが、プレッシャーが増していたウルグアイ戦でもトップ下で溌剌としたプレーを見せられたかどうか? 実際のインパクト不足は、右サイドでの起用ではなく判断力が原因と見受けられた。同じ土俵で比較はできないが、冷静に完璧なクロスで先制点を演出したエディンソン・カバーニとは対象的だった。

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