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「破滅の運命」「この世の終わり」。母国イングランド敗退に現地は絶望。若手起用が唯一の希望

サッカーの母国、イングランドがグループリーグで敗退した。1958年以来の屈辱に現地メディアは絶望的なトーンだ。希望は指揮官が積極的に若手を起用したこと。次回へ向け、布石は打っている。

text by 山中忍 photo by Getty Images

注目度はやはり高く。国会議員が問題ツイートも

「破滅の運命」「この世の終わり」。母国イングランド敗退に現地は絶望。若手起用が唯一の希望
先制点と勝ち越し点を決めたルイス・スアレス【写真:Getty Images】

 なんだかんだ言っても、やはりイングランド。代表がW杯で「さすが」の勇姿を披露したわけではない。イタリアとの初戦(1-2)に続き、6月19日のウルグアイ戦にも敗れた(1-2)イングランドは、翌日のイタリア対コスタリカ(0-1)の結果を受けてグループステージ敗退が決まった。

 しかし、W杯に対する国内の反響は良くも悪くも「さすが」だ。ブラジル大会では優勝など期待されていなかった。代表への期待度は過去20年間で最低。それでも、ウルグアイ戦は約2400万人が母国の自宅やパブでテレビ観戦。ビールの消費量は、12日のW杯開幕から1週間で前年の同時期より1000万リットルも増えたと報じられている。

 そして、ウルグアイ戦後の反応。イングランドにとっての今大会が2試合で終わる危険性は、「死の組」に入った抽選直後から指摘された。先制点と勝ち越し点を決めたルイス・スアレスの存在にも、当初から嫌な予感があったはず。にもかかわらず、国会議員でさえ「よりにもよって、卑怯で乱暴な人種差別主義者スアレスにやられるとは」とツイートせずにはいられなかった。

 ウルグアイに敗れた翌朝の国内各紙は絶望的なトーン。高級紙の1つ『ガーディアン』紙では「破滅の運命」という見出しがスポーツ第1面を飾り、他紙でも「エンド・オブ・ザ・ワールド」という表現が目についた。

 大衆紙ともなると、代表の「悲報」が全体の第1面。『サン』紙などは、しかめっ面のウェイン・ルーニー、スタンドで半べそのルーニー家長男、両手で顔を覆うロイ・ホジソン監督、嬉し泣きするスアレスの写真が第1面を埋めていた。

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